■午前二時だというのに店主とは別に自分の作業をやるうつけ者がいる。こちら側にはそれを観覧する誰かがいる。なにかの実験をしているやつがいる。ベアリングの球一個が欲しい誰かがくる。パソコンの画面に熱中しているやつがいる。多いときには十数名。最近のBONZの光景だ。
うつけ者は別名「お客様」ともいう。それにしても…..うつけである。しかしそんなやつらと付き合っているのはおもしろい。「好きだから」だ。
OLD SCHOOL BMXが好きだから。あれをやってみたい、こんなふうにならないか? あそこに行ってみないか? どうしたらもっと良くなるか? これとこれはマッチングとしてどうか? なんて…..いいね。しかし話は終わらない(笑)。終わらないけれど、それぞれみんな現代の社会生活には無用のテーマを宿題として明日に向って街を走っていく。フロントアップ気味にね。そういう日々は美しいんじゃないかな。と思う。 そうしてうつけ者がひけた後、わたしはわたしで独り街を走る。午前三時のフロントアップ。あちこちより道しながら、誰もいない道を選んで。……久しぶりに秘密の高台に寄ってみた。好い気分。東京の夜の音がする。福岡にも、大阪にも、札幌にも無い、東京の夜の音。じっとしていると耳をかすめて春の風が吹き抜けていった。目をあげると真っすぐ前に新宿と渋谷の高層ビルが見える。そして東京タワー、闇のハレーション。きれいだね。ちなみに「BONZ BROS.」とは「うつけ者 兄弟」という意味だ。
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