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Jul 08 2015

南房総EXPEDITION (1). OLD SCHOOL BMX, BONZ BROS.

■「まだ雪がある冬のうちにさ、輪行でBMXを持って雪道を走りに行かないか」「築150年の宿に泊まってさ」「囲炉裏」「山料理」「ずりずりテールスライド」「で、温泉」「で、鹿刺」「馬刺」「雪、雪! 」「ヤマメ」「スパイクタイヤ? 」「タイヤに縄でいいんじゃないか? 」「何着るよ? 」「長靴が重要だろ」……….あれはいつのことだったか? とある冬の日のオヤジたちの会話である。
 そのような話が……いつしか春がすぎ….ぼやぼやしてたら夏じゃんという、夏一歩手前のいま。やっぱりどこかへ ”行こうよ” ということになり、じゃんけんだったか多数決だったかで、山ではなく海、南房辺りをぷらぷら、という雪山にはほど遠い旅を行くことになった。理由はあんまりないのだが、目に青葉な初ガツオと築100年の宿、房総内陸を走る ”いすみ鉄道” が我らを呼ぶのである。山料理は初ガツオに置き換わり、宿は150年から100年に変ったけれど、呼ばれた気がするとついついいい顔をしてしまうのがオヤジである。加えて南房には黒潮碧い海がある。これからはじまる今年の夏の断片がある(筈)。磁気の異常がある。ときたま見かける温泉がある。遠い記憶の中で見たような、懐かしい青い空がある(きっと)。それを我が目で確かめようじゃないか……とまでは思わないけれど、まあそんなわけで、とある梅雨の晴れ間の日、月曜日、旅をするにはあまりにも変なOLD SCHOOL BMXという乗り物をクルマの荷台に積み込んで….出発である。1-1どうして輪行→電車旅じゃないって? だってオヤジはわがままなのだもの。クルマで一気に千葉県中ほどへと乗り込みます。走り出した道程はこんな感じ。0MAP1我々は、まだ開けきらぬ陽光の中、いつもの多摩川よりかなり下流の工業地帯をぬけ3羽田の浮き滑走路、川崎大師や、もっと下った東京湾1などを横目に走ります。

 ところでこの旅は、けっこう見どころの無い旅です。南房総自体には見どころが盛りだくさんなのですが、我々の旅には「これ! 」というところがない、だら〜んとした旅。さらには輪行したいヤツ、カツオが食いたいヤツ、坂道を下りたいだけのヤツ、お宿の暖かい布団でただただ眠りたいヤツ、港町サイクリングがやりたいヤツ、と、どうもそれぞれみんなばらばら勝手な指向があるらしい。なので、そこのところは御了承を。ただ、元来レーサーであるOLD SCHOOL BMXを使った遊びとしてはなんというか、こんなんもありかなという感じかな。

 で、アクアラインの海ほたるですね。ありきたりです。6-1ありきたりですが、ついつい立ち寄って用を足しとかなきゃ、と思わせるのがこういうところ。ここで「しとかなきゃ」という観念に支配される感じでしょうか。遠くにはよく見かける帆掛け船ダクトがポッカリと浮かんでる。6-2これが完成して何年たったか知りませんがが「あー、あれ! 」なんて思います。飛行機に乗った時くらいしか見ないものね。
 で、東京湾を行き交う貨物船や7−2 たむろす釣り船なんかを眺めつつ、4

あっというまに東京湾を渡って木更津あたりに着いちゃった。8どうしよう? まだ7時じゃん。ここまでBMX無しだし。

 だからといってどうすることも出来ず、我々は市原の山の中にある地球磁場逆転地層なるものを見物しますよ。「何か情報があれば」と思って、いま ”地球磁場逆転” と検索したら「人類滅亡」とか「マヤ」とか「どうなる地球!?」とか、そんな怪しい言葉がずらりと並びました。そういうつもりじゃないんだけど……。ともあれ地球磁場逆転地層というものを見ることが出来るのはイタリアのどこぞと、千葉県市原市は田淵のここしかないらしいです。そんな怪しいところとはつゆ程も知らず進むオヤジを悩ませるのは蛭なのです。油断すると取りつく蛭にキャー、キャーいいながら地球磁場逆転への道をいきます。9気味が悪いのでぴょんぴょん跳ねながら歩いて下って、すってん転んで蛭に吸われて養老川に到着。頭の中は蛭だけど、写真はちょっとEXPEDITIONでしょ。11
実はちゃんと歩けないほどニュルニュルの川床なんです。これはそいういポーズ。12-1

12-2で、この眺めが磁場逆転らしい。上に緑と黄色の四角い札の地層があるのに下にも同じ地層がある。それが磁場が逆転している証拠なのだとか。”だとか” である。13「へー。」というしかない。14 そして「リ ÷」という壁面の文字が記憶にのこった。帰り道もぴょんぴょんだね。

 さて輪行である。輪行組みはここ上総中野駅からローカルで有名な「いすみ鉄道」に乗り、千葉県の真ん中辺りを列車に揺られて外房大原へ向う。な〜んにも無いところを往く、な〜んでもない一両編成の旅。15この、な〜んにもない、な〜んでもないというのは、いまの世の中あるようで無い、とってもめずらしい空間な気がするけどどうだろう? な〜んにもない、なんて聞くと「じゃあ、見に行かねば」なんて考えてしまうよ。そこに身を置きたゆとう幸福。それを味わうのだ。
 しかし、列車は来ない。17−1

ま、あと一時間だよね。17

無人の駅舎近辺でぐずぐずしていると、予想とは逆の方向からいすみ鉄道はやってきた。18

いすみ鉄道の車輌がホームで停まると、もう一方からは小湊鉄道が。何だかドラマチックだなあ。市原から養老渓谷等を経由した小湊鉄道は、ここから先の外房までの経路をいすみ鉄道に譲るのだ。つまりここ上総中野駅は小湊鉄道の終点にして、いすみ鉄道の始発駅というわけ。どちらも電車じゃなく、ディーゼル列車。空までドラマチックになってきたよ。19

いよいよ輪行旅の始りです。20

運転手兼車掌さんに輪行について訊くと、今日は混雑していないので自転車は輪行袋に入れずそのままの積み込みでOKという。22

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いいね。この感じ。24

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自転車手回り210円也。28

さて、出発。27

9時10分発 上り列車大原行きは、ゴトンと音をたて、な〜んでもない野山へ向けて走って消えました。29

と、思ったら追いついちゃった。笑30

んで、ここまでの経路と大原駅からの道程はこんな感じ。MAP3

 一方、やたらと青い夏空の下。31

海辺で冒険組みは何やら得体のしれぬ入り口を見つけたらしい。40-

南房総EXPEDITION (2) へつづく。

 

 
 

 

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