■たまに、通り掛かりにのぞいて、とても気持ちよくなる自転車店がある。こんな店だ。通りに面した店内はただ床があるだけ。展示スペースやら音楽やら、洒落た照明やらはいっさい無い。自転車店だけれど現在売り物は2台(らしい)。そして奥の方の床ではオヤジがずいぶんと型遅れの原付スクーターをバラしている。
ぱっと見、戦後間もないバラックで営む ”何かの” 修理屋に見える。床には道具が散乱して、上は白い下着にグレーの作業ズボンのオヤジ。夏になると蚊取り線香の匂いがぷんっとする。ところがここには時折、えらく希少な自転車やオートバイが入って整備中だったりする。その感じがいい。誰かに信頼されて、それこそ耕耘機からスーパーカーまでなんでも臆することなく修理をする。そしてここのお客さんはそれを信頼してオヤジに整備をまかせる。いいなあそういうの。そうありたいやと思う。わたしは前を通り過ぎるときにのぞき込むばかりでオヤジとの面識はないのだけれど。
さっき前を通り過ぎたら「息子はサギ」とかなんとか張り紙があった。ふふふっ、と思った。どうしてかは分らないけど。その感じ分る? それが きょうの眺め 。「元気でやってるなあ」と思いながら通り過ぎた。
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