■「CITY OF RENO」という言葉がアイコンの古いBMXを組み始めましたよ。普段は「極上」がお約束のBONZ BROS.のフレームたちですが、今回のこのフレームだけは極上というよりは「歴戦の勇士」という言葉がぴったりの雰囲気です。
それはヘッドに残された「CITY OF RENO BICYCLE LICENSE」の、当時ものBMX RACEの車検証プレートが醸す、いかにもアメリカのレースを戦ったという雰囲気。そしてこのフレーム・ブランドが短期間ではあるけれど圧倒的に強かったという事実から、時代の証言が見て取れるからかもしれません。こういう感じ、たまりませんね。
で、RENO（リノ）といえば、アメリカで最も古いエア・レースの聖地ともいえる場所。毎年九月になると、大昔の複葉機や大戦中の戦闘機、爆撃機（本物ですよ）をチューンしたオリジナルのマシンで、ExcitingかつCrazyな空中戦（レース）が繰り広げられる「RENO AIR RACE」の街。ネバダですね。ここはカリフォルニアの内陸、原野の多い、なんというかちょっと乾いた「濃い」感じなところ。みっつあるRENOの空港のうち、いちばんナッシュビルに近い空港を起点にして行われるのがRENO AIR RACEです。ナッシュビルと聞いただけで、「はは〜ん」と思う人も多いでしょ？ BONZ,Nも散歩がてら何度かAIR RACE見物に行きましたが、ヤンキー魂の最も濃い部分が観られるそりゃあもう……なイベントです。出場マシンのそのグラフィック、爆音、焼けたオイルの匂い、青い青い空をフル加速で抜けていくカラフルな飛行機野郎たち。なんというか、途方もないものがここにある。
レースは「パイロン」と呼ばれるタワーをかすめて飛ぶオーバルを競うcompetitionなのですが、長い年月、RENO AIR RACEのシンボルとしての役割を果たしてきたのが「BENDIX」と大書きされた鉄骨のパイロンです。
飛行機野郎達は皆、このBENDIXパイロンをめがけてその魂を燃やし続けた。つまり、濃〜いヤンキー魂のど真ん中に聳えているのが「BENDIX PYLON」なんですね。
BENDIXといえばぼくらにとっても、そりゃあもうOLD SCHOOL BMXの象徴的存在であります。その武骨なつくりはやっぱりなんともかっこいい……..。
……RENOからやってきたフレームを巡って、なんだか様々なファクターが頭を駈けていく夜更け。OLD BMXを作っているのにグラマンが…..とか、P51のカウルの形がなんて発展していく思考がおもしろい。もちろんGEE BEEは外せませんな。
なんだかはっきり書かない部分が多いですが、この「CITY OF RENO号」なんだかとってもいい感じ。こうやって何かを想像しながらの作業って楽しいです。そして意味ある傷や汚れはかっこいいね。気分を良くして、かなり希少なパーツを使って現在製作中。全貌はまたこんど。
そしてBONZの机上にはBENDIX PYLONが聳え、GEE BEE racerが飛び回るのでした。
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