■こういうことなんです。
わかります？ We are scooter running. 恥かしいので英語です。
だって、クランクのねじ山が壊れて走行不能になっちゃたんだもの。走っていたらペダルが抜けちゃった。とほほ、です。努力したのですがどうもここでは応急処置できるものが見つからず、やむを得ずレンタル・スクーターなのですね。
ちなみに後ろに見えている（ふたつ上の写真ね）のは「山の神の冷風穴」。白い煙りが吹き出るほどの冷気が吹き出ているのです。そいつを味わいに行ったのですが、徒歩旅の先客が頭を突っ込んで熟睡中。で、目覚める様子もない。「……うーん」なのでした。
スクーターを得た我々は意外と嬉々としておりまして、高所、高所の神津旅。それはそれでとっても楽しい。海沿い以外の神津は、痺れちまうほどの静けさが魅力だと思う。あの地平線の彼方に見えるは補陀落浄土？
すみませんね。楽に成仏する系のお話ばかりで。でもね、旅ってのはそういうもんだと思うのですよ。人はまだ見ぬ所へ行き、ただただそこの情景の中に身をさらそうとする。そこに何もないから何かが透かし見える気がするものです。旅から具体的に得ることができるものなんて何もありませんもの。でも、私たちは旅へ出る。それが旅。名物とか美味しい食べ物は旅のギミックでしかなくて、本望は ” まだ見ぬ情景 ” です。お金をかけて、スケジュールを調整して、準備して、具体的には何も得るものがない ” 旅 ” なるものの中に身をゆだねる。それには年齢なんて関係ありませんね。
そしてそこにある ” まだ見ぬ情景 ” ってのは、ここではないどこか別の世の転化情景です。それを見るためにわたし達は多大な努力とアプローチをするのですね。それはこの身体のどこかにそれで充足される領域があるからだと思えるのです。
そんな領域に身をさらしていると、突如坂を下って
ところてんが食べたくなったりするのが人間ということなのでしょう。
ところでところてんって、カラシで食す場合と七味で食べるとき、ワサビで出てくることなんかがありますけれど、それって地域性？ 御存知の方がいらしたら教えてください。ともあれ、神津のところてんはどこで食べても中々です。
そしてまた青を見に行きます。
こんどは神津巷がわの高みへ。
なんだかこう、
遭難直後、若き日のジョン万次郎の様な気持ちです。
スクーターで楽なものだから、あっちの高み、こっちの高みへ行きたくなっちゃうよ。
おい、
その恰好はなんだ？
そしてBONZ旅はなぜかいつも薮こぎがある。
そうして辿りついたのが千両池です。在りし日、満潮になると海と繋がるこの海水の水たまりで先人は漁を行ったそうです。ちょいと泳いでみるも、かなり「不気味に怖い」のでありました。
千両池をちょっとカッコよく撮るとこんな感じ。ああ、Pacific Ocean! 
それにしても
あれは何かな？ 見るにでっかい階段なんだよね。
一方､その頃。
神津巷の、今晩のおかずを豪華にし隊の方でもあれを気にする。
そことは何も関係ないのですが、
今晩のおかずはスタンダードな宿めしに決定しました。
OLD SCHOOLなBMXに乗ってることを除けば、ほぼ地元のオヤジやん。
ほぼ地元オヤジは神津の潮目を読むのです。
で､アレを睥睨しつつ
龍神様の脇を抜け
お昼ご飯のおとも「まっちゃれーセンター」でところてんに淡い期待を抱くのですが既に閉店。
神津商店街を流すよ。
商店街では、おなじみ地元焼酎です。
んで、落日に
月。
同じことが繰り返される喜びに感謝しつつ、
スタンダードな宿めしをかみしめ味わうのです。旅館「文栄」の宴ですね。
こういうとき、たいていのオヤジは深酒します。深酒したオヤジというものはあらぬ時間に目が覚めるのですね。深酒→睡眠というのは一種の気絶状態だとか。
そのようなわけで気絶状態から不意に覚醒したオヤジは所在なくウロウロし、揚げ句に見る夜の青がこれ。
波にたゆとう夜光虫です。それはまるで銀河のように果てなく、あてなく、主なく放たれた魂のように煌めき続けるのです。その青はシリウスよりも遥かに青い。眺めるオヤジはこの後、浜でビールを飲んでまた記憶無しなのですが……..。
♦でも朝が来ればまたちゃっかりと朝ご飯を食べて、（なにかの）準備体操なんかやるオヤジなのでありました。
※ちなみに 登場人物から「顔出しは恥ずかしい」なんて（人づてに）云われたものですから、ここから目に黒線を入れてます。このタイミングで社会的に顔出しがまずい人になったわけじゃありませんよ。これは ” 恥ずかしい ” の対処です。
「青を見に行く(5）」へ続く。
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