■朝、目が覚めたら激痛で起き上がることができなかった。腰である。猛烈に腰が痛いのだ。困った。やらなきゃならないことは山積なのだが、なんというか息をするのも「えいっ 」となにかを込めないとままならないのである。困った困った。それでもなにかを込めて起き上がる。近所の奥さんに笑われながら歩き出す。
やれやれ。自転車なんか乗れないぜ。
まあ、でも。やっとの思いで店を開けた。
しかし…….座ってらんないのである。う〜ん。困った。困って歩き出したら小田急線がその身体を光らせながら多摩川の橋を渡って行くのが見えた。なにか「やたらと東京ぽい風景だな」と思った。花粉混じりの空気が霞んでいる。川面のさざめきが春の色を運んでくる。水仙や臘梅ではない、春の花の匂いがする。「うふふ」「イテっ」。季節が身を震わせながら北風を押込めているよ。河原では羽虫がたくさん群をなしていた。自分を「羽虫のようだな」と思った。
そしてあたらしい季節がやって来る。そう考えたらなんだか気持ちが軽くなった。つまらない日常の風景だけれど、 そのような きょうの眺め.
「痛てっ」
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