■きょうの東京はけっこうな嵐である。舗道に立つと若葉の落ち葉や枝、壊れた傘なんかがひらひらひらひら。強風に自転車はふらふら。風は吹き続けるのだが、それ以外は土砂降りだったり、勢い激しく往く曇り空だったり、時おり怪しいような陽光が空を割って照りつけたり。そんな昼間だった。そして店内から眺めるそれは、やたら美しいのである。
風になびく糸のような雨。ただ過ぎてゆく時間。気がつくとそういうものに惹きこまれているときがある。いいなあ、そういうの。
なんというか、ぼや〜っと、ゆたかに気持いい。大人になってからあんまりこういう時間ってないよなあ。いつか雨は小降りになりふくよかな水紋を水たまりに描く。そしてスカッと空が抜けた。空も道も銀色に輝いた。夏が駆け足で近づいてくる。そんな感じがした。そんな きょうの眺め .
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