◾️ここ何日か、雨が降っていない昼間は翔び交うムラサキシジミが目につく。ムラサキシジミは小さな可愛らしい蝶で、その羽の形がシジミ貝に似て角が丸い独特の形状をしているところから ” シジミ ” の名前がつく。つまり紫色のシジミチョウだから ” ムラサキ-シジミ ” だ。英語ではPurple Clam、学名はZephyrusという。高校時代わたしはスポーツ系のクラブ活動をとある理由でクビになったことがあるのだが、その後に入部したのが科学部の中の生物担当で、レースのない休日などはよく遠いあちこちに(自転車-輪行で)昆虫採集や観察等に出かけたものだ。そんなとき、とりわけ愛らしく、目の前を高速で翔び抜けていくのがこのムラサキシジミだった。
部活だからなんとなく珍しい生き物を探しているのだけど、まあ、好きだったんですね。このムラサキシジミが。そんなわけでいまでも日頃街を歩いているとき、どうしても昆虫ら動物やらに目がいってしまうのです。
で、わたしの感じる限り、ムラサキシジミは夏が終わる頃から地面近くの低いところを翔ぶようになり、やがてそれは秋色の夕暮れに見えなくなっていく。そういう感じがとっても美しいのですよ。なんというか秋の夕暮れの色に似ている気がするんです。そしてわたしにとって、それはすぐ近くにやってくる冬の序章でもあるんですね。夏はイベントな感じがするけど、秋や冬は何かもっと濃密な楽しみがある。そんな雰囲気を身にまとっている感じ(わたしにとって)がとっても気に入っています。いまのわたしは、昆虫採集も何か生き物を飼うこともその方達のことを思うととてもできないけれど、なんかこう、人じゃないその存在がとっても愛しく見えています。それはしみじみとうつろいといまの自分を教えてくれる。ちょうど古い知り合いに偶然出くわして「よう! 元気にやってるか? 」みたいな感じ。
そしてまた、ゼフィルスが低く翔ぶ季節になりました。そのような きょうの眺め .
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