◾️いま。店から出てウロウロしていたら合歓(ネム)の花が咲いているのを見つけた。わたしはこの合歓の花が大好きで、きっとこのブログの中でも「好きだ」となんども書いていると思うのだが、それは毎年7月初めのころの話題。合歓の花というのは「いま、すぐそこに夏が来ている」という時期に開花する、やさしい、霞のような花なのだ。それが10月も半ばの今日、夜のくらやみに向かって咲いているのだ。いわゆる ” 狂い咲き ” である。いちど通り過ぎてしばらく歩いたのだけど「??あれれ?? 」と思いつつ、いまきた道を引き返してしまった。
寒い秋の夜にみる合歓は少し怪しげに咲いていた。ひと枝だけではなく、その木がまるまる全部満開。本当に合歓の花? と思い、匂いを嗅いだり葉っぱや木肌を確かめてみたのだがやっぱり合歓の花なのである。しばらく眺めた。それは何かを求めるようにして夜空に赤い光を放っていた。「夏とはかなり印象が違うなあ」と思った。花色もちょっと強い。狂い咲きって、ちょっと哀しい。「来年の初夏になったらまた咲いてよね」そう言ってまた歩いた。
夜はしんととして身動きをしない。損をしたような、得をしたような………。そのような きょうの眺め .
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