◾️わたしはアホウが好きである。思いに忠実なアホウ…….まっすぐなアホウ。ナチュラルなアホウ……..。屈託の無いアホウ。それって、ときに素敵なのである。
ついこの間「よいお年を 」って、お別れしたばかりなのに「そういや、蜜柑ところてん食ってないじゃんね」なんて言い出したアホウが一匹。それを受けて「あれ、冬って言ってたよね」なんて思い出しちゃったアホウがもう一匹。「蜜柑トコロテンはやっぱり現地で食わなきゃね」と油をそそぐアホウがさらに一匹。本格的なアホウがつごう三匹、来ちゃったのですよ。夏に旅した(☞「甘々とトコロテン」でサイト内検索してみて)伊豆のいちばんワイルドな辺りに。
思いはひとつ、蜜柑トコロテン。
三匹のアホウは師走の色々やんなきゃな寒空に、こんな岸壁を走り、峠を越えて。延々えんと来たのよね。「嗚呼、蜜柑トコロテン」アホウってすごいなあ。
で、夏に泳いだ辺りに到着してみたものの???。
「あそこににあるよ」と聞いていた食堂は冬期改装中。お店なんて他に二軒しかない。手当たり次第にあちこちで尋ねてみるものの寄る辺なし。さてどうしたことか。この時期だから人もいない。さてどうしたことか。 途方に暮れるのでありました。
さてどうしたことか。な 「きょうの眺め」。……………….
……….ではなくて。
無いものは欲しい。思いに忠実なアホウは考えた。
だって、今となっては蜜柑トコロテンを食さずには終われないでしょう? いやいや、このままでは今年が終われないよ。で、ほど近いマーケットへ入って行き現地産トコロテンと現地産蜜柑と汎用醤油と割り箸とスチロール椀を入手しましたね。
そうして風がびゅうびゅう吹く海岸へ行き、現地産トコロテンを椀にあけ、現地産蜜柑をジュブッと絞る。醤油をドバドバ。
「ん? え? 美味いねこれ」。美味いのですよ。蜜柑トコロテン。ちょっと変なものとか、風変わりな現地食とか、キワモノ的食彩を想像していたのだけど、普通に美味い。いや、むしろゴージャスに美味い。ちょっと酸っぱめのみかんの方がいい。
「あー、美味い!」「いいね」「この蜜柑の風味がなんとも言えずを醸すよね」
終わり。
わたしはアホウが好きである。アホウには少しの理由があればいい。それが原動力になるのだから。その先にあるものはシンプルな幸せだ。シンプルな幸せには見返りがない方が美しい。夕暮れの伊豆の砂浜で、風に吹かれ、寒がりながら食す蜜柑トコロテンは、明日もアホウでいるための糧になる。少し拗けた文章の きょうの眺め .
ああ、いいなあこういうの。
「寒ぶ!!」
Please send an email inquiry to bmx@bonz-bros.com.