• bonzbros
  • classic BMX magazine

    OLD SCHOOL BMXの唯一の専門雑誌「Classic BMX」。世界各国で開催されるVintage BMX Show、世界有数のコレクション、名車の数々、レストア情報、100%ビンテージBMX満載!ご購入はこちらから!

    bonzbros
  • Calendar

    2024年May
    « Apr    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • classicBMX
1月 22 2019

きょうの眺め(258). OLD BMX SPECIALITY, BONZ BROS.

MARUHUKU◾️実用自転車が気になる。って、このブログでは何度も書いているのだが、昔からこの手のもの。日本でいう実用自転車とか、フランスのポーターとかプロムナードとか、アメリカやイギリスの軍用自転車(まあこれも実用自転車だけど)なんかにどうしょうもなく惹かれるのである。BMXは本来用途としてはとても狭い領域の乗り物だけれど、そこに美学がある。実用自転車の場合もその ” 荷物を運ぶ ” という、やはり特化された用途にそぐう美学が気になるのだと思う。まあ、その中にも色々あって、ダメなやつはダメダメでしかないのだけれど。いいやつは惚れ惚れするほどにかっこよくて、実はわたし、結構数のコレクションがあったりするのだ。
 このオリーブ・グリーンの実用車は毎日通りがかりに見ている一台で、庭師のおじいちゃんが乗っているもの。発電機と鍵とタイヤとベルとサドルが変わっている以外はすべて丸福自転車オリジナル・スペックの一品である。今日は通りがかりに持ち主が近くにいたので話しかけてみた。曰く、この自転車は昭和36年に「用心棒」という三船敏郎さん主演映画の制作現場で、二つある少し離れた撮影場所の行き来をするために、監督の黒澤明さんが乗っていたものなのだそうだ。持ち主のおじいちゃんは映画の中に出てくる桶を作った桶屋さんの倅だったそうで、当時は小学生だったとか。「親父について行っていつも現場で遊んでいた」のだそうだ。話を聞きながら車両を眺めるとフロント・フェンダーの背面に消えかかっているが「黒澤」と書かれていた。おじいちゃんのお話は延々と続くのだがそれはそれとして、この丸福号のリア・キャリアの取り付け方、アメリカあたりの軍用車から影響を受けたであろうシートポスト、重いが質感の素晴らしいロッド・ブレーキ用リム、実に曲がり角度のよいハンドル、そういうディティールのひとつひとつに胸がときめいてしまうわたしである。
 いいなあ、こういうの。常に頭の中にはあるのだが「BONZ BROS. 実用自転車BRANCH」でもやるか(笑)。ともあれ、モノにストーリーがあるっていいなあ。そんなことを考えた きょうの眺め .

 「こんなしわくちゃ写真に撮ってどうするよ」と云って逃げていく、このしゃっきり後ろ姿の先輩に敬意を評して。
b

 

Please send an email inquiry to bmx@bonz-bros.com.
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Printed from: http://www.bonz-bros.com/blog/?p=29002 .
© 2024.