■久しぶりに東京からちょっと出てみた。ここは金時山と丹沢湖の中間当たり。山の空気の中にいる。春でも夏でもない、季節に熟した匂いがゆるりと降り注ぐいまである。道ばたでは畦道談義？ それとも稲の刈り取り時期の相談か、あるいは草刈りか。知らないところで知らない誰かがなにかをやっている。ときおり「あはははー」なんて聞こえてきたりして。好きだなあ。こういう感じ。水筒に入れて家から持ってきたお茶とか漬け物とかあるともっと羨ましい。時はとうとうと過ぎていく。そこにあるそれぞれがいじらしい。思いも、実る植物も、時代も、軽トラも、水筒に入れたお茶も、流れる水も、田んぼの虫も。そんなこんなを眺め、少し晴れやかに思える きょうの眺め .
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