◼️この1週間、ほぼかかりっきりで本物の競技車両のレストア作業をやっている。正確には(元)競技車両で、1968年のメキシコ・オリンピックに出場したレーシング・ロードだ。ちゃんとヒストリーも残っている車両で、フレームやそのシリアルだけでなく、散りばめられたそれぞれのパーツも全てが年代マッチングしているしその使われようがかなりだから、パーツ自体もオリンピックの舞台で戦ったそのものとみて間違いないとおもう。
それにしてもすごいのである。貴重だとか、本物だとか、そういうところはさておき。プロのライダーが本当に競技で使った車両はもうズタズタ(笑)。ヘッド・チューブとシート・チューブは軸がづれているし(大ゴケしたのでしょう)、エンドも左右前後で違うところにある(ハハハ)。BBのアクスルは虫食い状態(競技中油が切れて液状オイルの注入で対処したのでしょう)。フリー中身のベアリングは小玉になるまで削れて(減って)いる。ノッチなんか無くなってる。ブレーキや変速機はその接合部がヨタヨタ(現場での競技中対処の力わざだ)クランクも曲がっているしペダルなんかはコーナーリング中の過度なバンク角で球受けだけでなく中身のベアリングまでが削れているのだ(それでクランクは内側に追いやられたのね)。そしてパーツの随所には車両選別番号の刻印が打たれ「8番車にはこの8番のパーツね」なんていうことが一目瞭然でわかるように工夫されている。
人の目一杯の力を感じるし、そうした時にフレームやパーツ各部はこんなことになっちゃうのね。なんていうことがリアルに目で見える。そしてそのような状況下でのマテリアルの状況。ぱっと見では全くわからないのだけれど、触れてバラして見るとわかる有り様。それはちょっとではない感動なのだ。
まあ、わたしのように「それ」をレストア作業として、普通に乗って走れる状態に持って行くのが仕事の場合は苦労でしかない惨状なのだけど、関わっていると何かがわかる。胸のすくポンコツ。そんなところが胸にくる、やたらと濃密な一週間であった。こんなことに関われる事実に感謝である。今日で2日目の完全徹夜。でも、それが悪くない。そんな きょうの眺め.
さて……有りし日と同じ、真っ赤なバー・テープを巻いて完成だ。
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◾️I am currently restoring a bicycle that participated in the 1968 Mexico Olympics. It’s a continuous work of excitement.