◼️この車両は1983年製のRED-LINE 600Bである。オーナーが手にれたのも同じ83年の小学生の頃。いまから39年前に池袋西武スポーツ館で祖父に駄々をこねて（笑）買ってもらった、オーナーにとって、なんというか「とりわけ思い出深い」自転車なのだ。しかし時代はMTBに変わり、オーナーも最先端のMTBに乗り換える。いつしか600Bは納屋の置物となり、埃と錆と時間に同化していった。「好きな自転車」だから捨てられず、さりとて劣化した車両に乗ることもなく、仕事に追われる日々。そんなとき、オーナーはBONZのこのブログを発見した。レストア計画のはじまりだ。
「こんどはキャストホイールを履いてみたい」ということと、使用できるものは出来るだけ再使用する。ということをテーマに、レッド・ライン 600Dのレストア作戦が始まった。写真を交えてのメールで重ねるやり取り、何度かの来店、残すもの、代えるもの、使えるもの、もう再生が厳しそうなもの……。そして好み。そのようにしてこの車両は完成した。
固着してリテーナーが崩壊したヘッドは新しくし、曲がったBBアクスルは交換。チャーンやシートクランプも交換だ。
一方、サビサビだったフレームやフォークは徹底的に磨き、使える部品の錆や固着、汚れなどは徹底的にクリーンナップ。ステムはオーナーとBONZの共同作業で再生した。
これはレストア前の状態。あまりわからないかもしれないけれど、結構な錆と固着な状態。途中、コロナ禍や戦争都合で通常なら簡単に手に入るようなパーツのメーカーからの納品が延期されたり、納期不明なんてこともあり、レストアなってみればBONZにとってもなかなかに思い出深い車両になった。
納車の時は「ちょっと磨き過ぎちゃったかな」なんて気持ちもあったのだけど、オーナーからは喜びの言葉をいただき、写真を撮る間がなかったわたしに代わってこの写真を撮って送っていただいたりもした。それ以外にも食べ物や、音楽や、着る物や、仕事のことや、今度行くところや、そんな話が続いていく。こういうやりとりって好きだな。OLD SCHOOL BMXがOLD SCHOOL BMXだけではない何かの領域を呼んでくる。たのしいのである。もしかしたらBONZ BROS.はそういうことのためにあるのかもしれない。そんなことを思ったりもするのだ。
このレッド・ラインはこれから、オーナーが通勤のためのスペシャルとして使う予定だという。ワン・オーナーで長らえ続ける600D、ずっとこのまま元気でいてくれるといいなあ。
そんなことを夢想する きょうの眺め .
◼️SPECIFICATION
・FRAME：RED-LINE 600D
・FORK：RED-LINE
・HEAD：TANGE MX
・BB：TANGE 3P AMERICAN
・CRANK：SUGINO MAXY CROSS
・CHAIN RING：SUGINO MX
・CHAIN RING BOLT：SUGINO
・PEDAL：MKS
・SEAT POST：NITTO
・SADDLE：TAIHEI ELINA
・GUTS：TAIHEI
・STEM：RED LINE
・BAR：GT
・GRIP：OURY
・BRAKE：DIA-COMPE NEW MX1000
・BRAKE LIVER：DIA-COMPE MX121
・SEAT CLAMP：MX1500N
・WHEELS：OGK
・TIRE：KENDA：F-20×2.125 R-20×2.125
・TUBE：PANASONIC
・FREE WHEEL：ACS
・CHAIN：IZUMI
Please send an email inquiry to bmx@bonz-bros.com.
◾️The old and red rusted RED LINE 600B has been restored to a shiny state. The owner’s feelings shine like “then”.