■今夜は、自分が40年も使ったブレーキ・キャリパーのリペアと「磨き」をやっています。なんでかはわからないけれど、そんな気分なんですよ。河原には少しクッキリとした風がユルユルと吹き、コオロギやら鈴虫やらが鳴いている。静か。机の上でMilt Jaacksonが静けさを増長します。こういうときって、普段の作業とはまるで別の「ゆったりとしたくつろぎ感」があるなあ。いい感じ。そうして日ごろは見えないものが見えてきたりする。
それにしても40年の風雪や摩擦に耐えたパーツはかなりなもんだ。すべてを完全に分解して、ひとつひとつの構成部品に付着した泥や固まったグリスを落とし、すり減ったワッシャーを交換。スプリングを調整し、まだ使えそうなブレーキパッドのすり合わせ。そして磨いていく。ただただ磨く。やがてほんの小さな一片のパーツが語りだすね。それを訊いていたら、いまもパーツに残る傷についての記憶が甦ってきた。そのときの気温、匂い。走った場所、天気、食べたもの。語ったこと。時代感。かなりリアルだ。自分がつけた傷っていいね。こんな秋の夜長に、頭の中は少年時代。
20年くらいかな。しばらくの間、車体から外して棚の飾りものになっていたパーツたちだけれど、このリペアが済んだらまた使ってみよう。そんなふうに思う。
Please send an email inquiry to bmx@bonz-bros.com.