■なんだかわかる?
店までの通り道、春から秋の遅い時期までは農園のうっそうとした草薮(何でもないゾーンと思っていた)を、今日の昼間に眺めたら丸いボールのようなものがぽこぽこ転がってる。
草が茂っている時期にはこの場所でいつもスピードを緩めて土や草の匂いを嗅ぐのだけれど、今日は茂った草が刈り取られこんなことになっていた。東京にしたらけっこう広い平らな地面のあちこちに丸い玉。「なんだ? 」と思って自転車をとめてみたら、大玉スイカのような白っぽい大きな実だ。カボチャじゃないよね、と思いつつ訊いてみた。
「おいちゃん、この玉はなんだい? 食えるのかい?」
「これは冬瓜(とうがん)だね」
なるほど。冬瓜と聞いた途端に自分の中の「?」が繋がったね。それは冬瓜て冬の瓜という名前なのになんで八百屋さんで売っているのは夏なの? ということ。見ての通り、こうやって地べたに転がしておけば冬まで持つから冬瓜ということなんだね。
わたしからしたら目から鱗というか、頭の中で何かと何かが「ぱちっ」と音を発てて繋がった瞬間でした。毎夏誰かしらに「なんで冬瓜は夏に食べるのに冬の瓜というのだろう?」と問うほど、どうしてか気になることでしたからね。冬瓜は冬まで持つから冬瓜っていうんだ。今の時代、ネットで調べれば簡単に分かることかもしれないけど、それを自分の目で見て、頭が音を立てて反応したことがなんだかやたらと嬉しい。
おいちゃんによると冬瓜はインド原産で、平安時代から日本の貴重な保存食、あるいは熱冷ましとして重用されたらしい。
くだらないことと思えるかもしれないけれど、それがきょうの収穫。そしておいちゃんには大きな冬瓜をいただいてしまった。OLD BMXじゃなく、ロードに乗っていたら目にもとまらないことだよね。
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