■最近どうも実用車が気になるよ。そのなんともいえない逞しさ。26〜29インチの鉄ッチン極太リム。広大なる荷台。悠然と進むその感じと踏みごたえ。この感じって実は元々軍用車輌として使われた様なルーツもあったりするんだよね。
そしていまからちょうど19年前、わたしは実用車で旅に出たことがあるよ。そのときは既にBMXレースは引退し、普段使いではごく普通のギヤ付きロードに乗っていた。だからもっと楽ちんに自転車旅をすることもできたはず。
けれど、納屋にひっそりと置きっぱなしになっている、祖父が残した実用車(写真の車輌ではない、ライフルホルダーなんかがついている軍用車輌だった)がどうしても気になって、ちょうど今くらいの秋の初めにその実用車にテントと米と飯ごうと雨合羽を積み込んで西に向けて旅立った。ライフルホルダーには釣り竿を入れてね。
そのゆるゆると進む感じはなんともいえず平穏、そして素敵だったな。シングルギヤだから山とかじゃなく街ばかりを選んで走ったよ。そうすると目の前に繰り広げられる情景がちゃんと見えるんだよ(そこはOLD BMXも同じだね)。だからその頃のスポーツ自転車の人たちの旅とは違う感じの旅ができたんだ。ジーパンをはいて、デニムのシャツを着て、インディー・ジョーンズみたいな帽子をかぶって、フランスの軍靴を履いて。広島だったかな(?)テレビ取材なんか受けちゃったりして。
そんなでなんと2週間後、わたしは下関に着いていたね。馬鹿だね(笑)。そうして眺める向こう岸(火の国ね)。
よかったなあ。あの感じ。目的はないけれど進む方向はこっちだ! みたいな感じだった。
で、「OLD SCHOOL BMX ONLY ! BONZ BROS.」といいながら、この5年くらいまた実用自転車が気になるよ。英国、米国、オランダあたりとかの実用車がまたかっこいいんだよ。だから街中に実用自転車が停まっていると、ついつい目がいってしまう。斜め後ろからの見た目がすごくいいんだ。
OLD BMXとの共通項はゆるゆると自分とそのまわりを感じながら、シングルスピードで走るという感じかな。シングルだと自分の力だけで進んでいる感じがするんだよ。自分が解る感じ。そして、心意気だぜぃ!
……あ、ギア付きを否定してるわけじゃありませんよ。それはそれで素晴らしい。好きです。
まあでも、前の方にも書いたけれど、実用自転車の中にある「悠然と」という感じがどうも気になる昨今です。きょうはOLD BMXな話じゃなくてすみません。 ちなみにこれなんてスノー・フレークの初源的デザインなチェーン・リングだよねぇ。よければどうぞ(笑)。かなりデータは持ってるんだ。
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