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Aug 05 2015

きょうの収穫(47). OLD BMX SPECIALITY,BONZ BROS.

UNICANITOR■これ、きょうの大収穫。UNICANITOR(ユニカ)のサドル。
 わたしはBMXを初めて手にしたのは中学二年の頃なんだけど、その前の小学6年生くらいからロードレーサーに乗り始めた。欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて、泣き落としで親に買ってもらった自転車は緑なフレームに細〜いタイヤが素敵だった。どうしてそんなにロードレーサーが欲しかったのかというと ”どこへでも行ける” と、思ったから。「自転車があればどこへでも行ける」。その通りだった。自転車でどこへでも行った。遠くに行き過ぎて親に怒られたこともある。東京から群馬や伊豆や秩父に行って、帰ってこられないのだからまあ怒られる。走りと時間の加減がわからないのだ。いまから41年前の8月のことである。
 そうして自分にとっての自由この上ない道具を手に入れたわたしが、次に欲しがったのがサドルである。そう、この画像のユニカのNo.3のスエード張りサドル。どうしてかはわからないけど(尻が痛かったのかも)、もう猛烈にわたしはこれが欲しかった。そして上野の某自転車店で陳列棚に並ぶこのサドルは、革の匂いが最高だった。しかしこのサドルは、当時手に入れたロードレーサーの1/10以上くらいな値段だったのだ。親が驚いた。「自転車がもう一台買えるじゃん」と。でもわたしはこいつを手に入れたね。それまでのビニール張りのサドルに代えて、わたしの緑色のロードレーサーにはこのユニカが装着されたよ。嬉しかった。そうしてまた意気揚々と走りに出かける(笑)。
 で、このサドルを手に入れたおかげ(?)か、わたしの自転車はどんどんパーツが変更されて行った。果てはフレームも交換だ。だって、ゴージャスなサドルと他のパーツがあまりにもアンバランスなんだもの。お小遣いは全部自転車パーツだった。そうしてパーツを交換しては乗り、乗ってはパーツの交換をした。いい感じと嫌な感じ、相性の良いパーツと全くダメな組み合わせ、ダメな組み方と絶妙なセッティング、ネジピッチや規格の違いも体験した。そういうものの存在や違いがとてもよくわかったのはこのサドルを手に入れたことをきっかけにして起こったこと。ユニカはわたしにとって初源的な存在なのだ。
 探し物に出かけた先で今日、そのユニカの新品を手に入れた。No.3のスエード張りだ。「こんなんあるけど」と云われて、探し物じゃないのに「あ! いります!! 」と答えていた。わたしが小学6年の時に見た、シルバーの ”UNICANITOR” の文字が、あのときのままに燦然と輝いている。40年以上前の新品。感動である。巡り合わせって凄い。だって年月を飛び越えてこころが40年前だもの。
 ここで自分の仕事のことと結びつけた「自分もみなさんに〜」なんてコメントを書くと気持ちが悪いので話はここで終わり。しかし……たかだか自転車パーツ。だけどね。そこには”いろいろ”な”いろいろ”が存在するよね。あー、嬉しい。これが きょうの収穫 。

 あ、そうそう。40年前の方のユニカは、色あせ、銀色の文字も消えてしまったけれど、いまもわたしの元でBONZの店の片隅に鎮座しているよ。わたしが店内で唯一、自信を持って「それは非売品」と言うパーツだ(笑)。

 

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