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Mar 10 2019

きょうの眺め(264). OLD BMX SPECIALITY, BONZ BROS.

hadan◾️夕方「きょう、10分しか時間ないんです」と、お客様が入って来た。来店は ” ペダルのアクスル・シャフトが折れた ” のが理由だ。その方はOLD SCHOOL BMXをがっつりちゃんと乗るひと。
「治りますかね?」シャフトの外れたペダルをばらしてみるとナットの緩みやベアリングの劣化ではなく、アクスル・シャフトの破断が要因であった。破断断面をルーペで見てみる。”美しい破断” は、やはりアクスル・シャフトの不出来やシャフト マテリアルのクオリティ問題ではない。” 使いたおした破断 ” だ。「んー、これはちゃんと使ったということ。寿命かな。◯◯さんガシガシペダリングするし」わたしは、なんとなく嬉しい気持ちでそんなふうに応えていた。
 モノをしっかりちゃんと最後まで使う。壊れたら修理してまた使う。それでもダメだったら、然るべき代わりのものが入手ルートも含めてわかっている。いいなあ、そういうの。それがあるから選ぶ時の目や好みが生きたものとして養われてくるよね。やがてはそういう人になる。わたしはそのお客様の、惜しげもなく古いBMXに乗る感じが大好きである。それはとてもいかしていて、関わらせていただくことがうれしい。自分もそうなりたいな、と思うのでありました。
 「寿命」と聞くと、そのお客様はすぐに別のペダルを選んで、ごく短時間のうちに(今日は)帰っていった。明日からまた ” あの ” 古いBMXは元気に2000年代の日本を走っているのだろう。好きだなあ、それを選ぶという生き方。

 だから、店に残していったこのペダル軸は ” 美しく輝く生きざまの破断 ” なのである。そんな きょうの眺め .

 一方、わたしは現代の部品の
クオリティがとても気になるよ。上記のものはOLD SCOOLなパーツで「丈夫な良いものを作ろう」として仕立てられていることがよくわかるものだ。しかし流通する今モノのパーツ達は、あらかじめ「対応年数」や「仮想使用頻度」が決められているモノ。あるいは「形が似ていればいいや」というようなモノばかりになってしまったよ。それは規定は満たしているかもしれないけれど、古い時代の ” ちゃんとしたモノ ” に比べたらとっても低クオリティな仕立てである。鉄やアルミの材質なんて昔も今も変わらないのですよ。つまり作り方とそこにある考え方、作り手の良心、そして心、それが低いクオリティを当たり前のものにしてしまったのだ。「ダメになったら捨てる」そういうスタンスはどうしたって安普請になる。企業論理、経済マターのものづくり。それでいいのかな。少なくともわたしは反対派だ。だって、もっとモノを愛したいもの。心あるモノを見て経験してみたいもの。

 

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